英語を最短でものにする

最短ルートとしての「英検」「受験参考書」のすすめ

【書評】英文読解入門 基本はここだ!(改訂版)

『英文読解入門 基本はここだ!(改訂版)』

英文読解の入門書として長年にわたり高い評判を得ている本書。

これまで素通りしてきたが、Amazonでも評価は高く、気になっていたので

買ってみました。レビューします。

 

当然だけど、内容は悪いとまでは言えない。

しかし「今となっては、より分かりやすい参考書があるだろうな」というのが

率直な感想です。

 

まず長所は、薄いこと。この点はほんと素晴らしいです。

よく言われることですが、英語に限らず学習においてはまず

「全体像を概観する」、言い換えると「まずは一周なんとかやり切る」

というのがほんとうに大事ですよね。

 

これまで英文読解の解説書は情報をたくさん盛り込もうとするあまり分厚かったり、2分冊になったり、解説が小難しかったりするものが大半だった。本書はここをクリアしているところが良い。

つまり英文読解初心者にとっては心理的ハードルが低く、「心が折れずに手にとって終わらせられる」少なくともそういったポジションを狙っている。これがすごく良いと思います。

 

ただ、長所はそのまま短所にもなります。

 

薄い分、解説があっさりです。

初学者向けという事を考えると、「解説はしっかり」とって欲しいところ。

一通りやってみて「この説明で初学者が分かるんかい」といった説明がいくつもあったりと、むしろ初学者がこれやったら逆に挫折するんじゃないかと思ったりもした。

 

また、良くも悪くも作者のキャラが学者肌というより天才肌タイプです。

波長の合う人にとっては良いが、そうでない人も多いだろうなという印象で

説明を読んでも分かったような分からない様な気分になり、なんとなくすっきりしない雰囲気のまま最後のページを閉じがち。

 

例えるなら「長島さんが初心者向けにバッティングのコツを薄い本で解説」

それの英語バージョンといった感じだ。

 

反面、ある程度知識のある学習者が「すでに知っている知識の総まとめ再確認」として活用するのは非常に有効であり、むしろこれが本書の本当の使い方なのではとすら感じる。

 

良い点

・薄い

・安い(1000円を切る)

・さくっと英文読解の基本的な全体像を概観できる

 

気になる点

 ・初学者向けにしては解説があっさり。

・「構文の図解」があまりない。

・解説がふわっとしている

・たまに初学者レベルを超えた「それ、必要?」レベルのものが混じる

 

こう改善してほしい

・全ての例文に「構文の図解」をつける

・見開き1ページ構成にする

・節目ごとに「知識まとめページ」が欲しい

 

おすすめの使い方

・最初の1冊としては悪くないが、これ1冊で分かり切ろうとしない

・初学者が英文解釈の体系をさらっと概観する。

・中級者以上が英文解釈の体系を短時間で確認(復習)する。